能率大幅アップ!ホーンツイーターを3Dプリンターで自作!

以前紹介した、【予算5万円で20㎝Wウーファー+ホーンスピーカーを自作!】。ツイーターはこのような自作のケースに入れていました。

 

 

ツイーターはDayton Audio AMT Mini-8のOEM製品と思われるものをアリエクスプレスで購入しました。

 

 

この時のスピーカーの測定チャートを見ると、中域と高域のクロスオーバー7kから最高域までダラ下がりで落ち込んでいます。

 

 

これは、ウーファー『Dayton Audio DC200-8』の能率が92.5㏈。ドライバー『CLASSIC PRO ED3402』が98㏈に対してツイーターの能率が、公称88しかないので当然の結果です。

 

 

そこで、この能率の低さを補うためのホーンを3DプリンターEnder 3 Proで製作しました。

いつものようにFusion360で設計・モデリングをします。本来、ホーンには複雑な計算が必要ですが、その知識はないので感覚的に作ります。

 

 

ツイーター単体で使えるように、コンデンサーが格納出来るケースを製作します。

 

 

今回は、3つの異なる形状のホーンを製作し、測定結果が最も良いものを採用します。


製作するホーン形状は、この3タイプで、ホーンの全長はすべて同じ20㎜です。Aのホーンは、急勾配のカーブ形状、 BはAとCの中間のホーン形状Cは、3つの中で最も緩やかカーブのホーン形状です。

 

 


このホーン形状の違いで、どれだけ音圧に差が出るか実際に測定してみます。


3DプリンターEnder 3 Proで製作した、3タイプのホーンです。ご覧のように、Aは急勾配のカーブ形状、Cは最も緩やかホーンカーブで、BはAとCの中間のホーン形状であることが分かります。

 

 

ホーンは、ボルト・ナットで取り外し交換ができるようにします。

 

ツイーター単体で使えるようにコンデンサーを格納するためのスペースを設けました。

 

 

ターミナル端子は純銅製ロジウムメッキ。内部配線は、銀メッキケーブルに金メッキのファストン端子です。

 

スタンドは、 SUS(エスユウエス)の20×20アルミフレームとアングルブラケット、エーモン工業の取付金具を使い、1台1,000円以下の予算で製作しました。

 

このスタンドは、 前後に移動させてタイムアライメントの調整が出来ます。さらに、上下に3㎝高さを調整できます。

 

 

一番上にしたときは、上向に約75度、下向に約90度、角度を調節することが出来ます。


3k㎐~30kのサイン波を再生し、マイクは軸上1mに設置して測定しました。

 

 


ホーンを付け替えて、ホーンA・B・C、ホーン無しの4パターンを測定をします。

 

 

ツイーターの位置は、当初『中域のホーン』から1㎝づつずらして3か所で測定しましたが、これだとチャート形状が良くありません。

 

中域のホーン前面側付近にツイーターを設置して測定すると、このように谷だらけのチャート形状になります。

 

そこで、ずっと後ろに下げて中域ドライバーのボイスコイル位置とツイーターの振動版の位置を合わせたら、次のように改善しました。

 

赤線が、中域ホーンから-1㎝の位置にツイーター(ホーン無)を設置したもの。白線が、中域の振動版とツイーター(ホーン無)の位置を合わせて設置したものです。15k㎐付近までほぼフラットで、谷の数も5個から1個に減りました。ツイーターの位置は、中域と合わせた方が良い結果が得られました。この測定結果から、ツイーターの位置は中域ドライバーに合わせ、固定してホーンを付け替え測定します。

最初に、ホーン無とホーンAの比較です。白線がホーン無し、赤線がホーンAです。8k㎐~14k㎐で平均2.5~3㏈程、15k㎐以降では、最大で約7㏈音圧がアップしています。特筆すべきは、15k㎐~18k㎐の大きな谷が見事になくなっていることです。

 

次に、ホーン無とホーンBの比較です。白線がホーン無し、黄色線がホーンBです。AよりもBの方が、全体的に音圧がさらにアップしました。8k㎐~14k㎐で平均4㏈程、15k㎐以降は最大で約10㏈!音圧がアップしています。

 

最後に、ホーン無とホーンCの比較です。白線がホーン無し、青線がホーンCです。AやBに比べCの方が、 8k㎐~15k㎐の範囲で音圧がさらにアップしました。8k㎐~14k㎐で平均4~4.5㏈程、15k㎐以降は最大で約11㏈!音圧がアップしています。ただ、3つのホーンの中で唯一、20k㎐付近でホーン無しより音圧が下がりました。

 

全ての測定結果を重ねて比較します。ホーンAは、20k㎐付近の音圧が最も高いですがそれ以外は、B、Cを下回っているので、Aは候補から除外。ホーンCは、8k㎐~15k㎐付近の音圧が最も高いですが、20k㎐付近ではホーン無しよりも音圧が低いので、ハイレゾを考えるとマイナス要因です。比較してみるとホーンBは、最もバランスよく広帯域で音圧がアップしています。

 

 


これらの測定の結果、Bタイプのホーンを採用することにしました。

 

 

このスピーカーの再生音は、こちらの動画でご視聴ください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です