名機スピーカー ビクター『SX-100』を改造
ヤフオクで、入手したビクター『SX-100』のエンクロージャーを元に新しいメインスピーカーを製作しました。
では、カスタム内容を詳しく解説していきます。
ユニットは、3DプリンターEnder 3 Proで自作したアダプターを介して取り付けます。
ターミナルは、3Dプリンターで自作したプレートに、AliExpressで約2000円で購入した純銅&ロジウムメッキの大型プラグ(バナナプラグ対応)を取付。
内部配線は、プロケーブルで購入したベルデン8470に、金メッキのファストン端子。
ダクトポートはΦ30㎜×50㎜ / Φ30㎜×100㎜ / Φ25㎜×150㎜ を3Dプリンターで製作。
ダクトのポート共振周波数の計算はこちらのサイトを参考にしました。
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/
既存ポートの約80㎐に対して、大雑把に、50㎐、40㎐、30㎐のダクトポートを製作。
注)SX-100は、ダブルバスレフなので、実際の共振周波数は異なります。
これらはあくまで相対的な差を明示するため参考値です。
どのサイズのダクトポートを使用するかは、マイクで測定して決めました。
ユニット軸上、リスニングポジションと同じ距離(約70㎝)に、測定マイクを配置。
『WaveGene』で20㎐~40K㎐のビープ音を生成し、『WaveSpectra』で測定しました。
測定マイクと、マイクアンプ(オーディオI/F )は、BEHRINGER ( ベリンガー ) 『ECM8000』と『UMC202HD』を使用しました。
まずは、SX-100の既存ダクトポート【Φ49×50】の測定結果です。低域のピークは『94㎐』。
2k㎐付近の谷は、ユニット本体の特性によるものと思われます。
次は、試作した3つの中で一番短い【Φ30×50】の測定結果です。
赤い線が既存ポート【Φ49×50】、青い線が【Φ30×50】です。
低域のピークは既存ポートの『94㎐』から、一気に『47㎐』まで下がりました。
音圧も、既存ポートと比べ『47㎐』付近で、9㏈以上大幅にアップしています。
ただ、再低音域は大幅に伸びましたが、中低域に若干の落ち込み(150㎐で―2㏈)が見られます。
つづいて、【Φ30×100】の測定結果です。
赤い線が既存ポート【Φ49×50】、青い線が【Φ30×100】です。
低域のピークは【Φ30×50】 と同じ『47㎐』ですが、音圧が【Φ30×50】 より1.5㏈ほど下がりました。
再低域の音圧が【Φ30×50】に比べ少し下がり、中低域の落ち込みが【Φ30×50】より拡大しました。
最後に、最小開口・最長ポートの【Φ25×150】の測定結果です。
赤い線が既存ポート、青い線が【Φ25×150】です。
低域のピークは、他の試作ポートと同じ『47㎐』ですが、音圧が【Φ30×50】に比べ5㏈も下がってしまいました。
【Φ30×50】や【Φ30×100】より再低域の音圧が下がり、中低域の落ち込みもさらに拡大しました。
【測定結果】
・最小サイズの『Φ30×50』のポートが、低域の音圧が最も上り、中低域の音圧の低下は最小。
・一番長い『Φ25×150』サイズは、低域の音圧の上昇が一番低く、中低域の音圧の低下も最大。
・自作ポート3つとも低域のピークが同じ『47㎐』で、中低域の音圧が低下。
これらの測定の結果、ポートサイズは『Φ30㎜×50㎜』を使用することにしました。
このスピーカーの再生音は、こちらの動画でご視聴ください。