10㎝フルレンジ Tangband W4-2142 新メインスピーカー製作
新しいデスクトップのメインスピーカーを製作しました!
この新しいメインスピーカーの音は、こちらの動画で視聴できます。
これまでのメインスピーカーは、音工房Zの自作キット『Z701-OMMF4』です。
このスピーカーは、BHBS(バックロードホーンバスレフ)という方式で、内部はバックロードホーンで、開口部はダクトです。通常のバックロードホーンと異なり開口部のダクトポートで低域を調整します。
ユニットは、マークオーディオの6㎝フルレンジ『OMMF4(CHN40)』2発とリボンツイーター『Dayton Audio AMT Mini-8』によるバーチカルツイン構成です。
サブバッフルは、3Dプリンター『Ender 3 Pro』で製作したオリジナルです。
オリジナルの自作キットには無い、インナーバッフルを別の業者に製作を依頼しました。
バッフルごと、取り外して交換ができる仕様にしました。
今回の新メインスピーカーは、箱の本体はそのままでバッフルだけを交換したものです。
新しいスピーカーのユニットは、10㎝フルレンジのTang Band 『W4-2142』です。竹繊維を織り込んだペーパーコーンに、アルミのフェーズプラグの形状が独特です。どこも在庫切れで、ヤフオクで中古をペア1.8万円(ほぼ新品定価)で購入しました。
『W4-2142』の特徴は、この圧倒的なまでの物量投入(2㎏近い重さ)です。隣に並べた同じ10㎝のFOSTEX『FE103NV』の、なんとも貧相なこと、、
初めてタンバンのユニットを購入して、あまりの造りの見事さに愕然としました。FOSTEXは、今後もう購入することはないでしょう。
ツイーターは、NFJが以前販売していたGGCE製のリボンツイーターを使用します。
バッフル板は、15ミリ厚のアカシア集成材(ワトコオイル仕上げ)に、3Dプリンター『Ender 3 Pro』で製作した、オリジナルのアダプターを取付けます。
色々なユニットや、ダクトポートに交換できるような仕様にしました。
Fusion360で、複数のカラーバリエーションのアダプターを検討した結果、、、
ブラックとシルバーのツートンカラーにしました。
3Dプリンター『Ender 3 Pro』で、このように3つのパーツに分けて製作しました。
テスト試聴では、スピーカー内の音圧でツイーターのベゼル部が結構振動します。
そこで、ツイーター用のバックチャンバーを3Dプリンターで製作。これで、スピーカー内の音圧の影響を多少は軽減できそうです。
ターミナルは、バイワイヤリング対応型に変更します。
追加の加工は無しで、既存のこの48㎜の小さな穴に4本のスピーカーターミナルを収めます。
48㎜の穴に収まるバイワイヤリング対応プレートを、3Dプリンターで製作。箱の内部側には、ショート防止のための仕切りもあります。
この様な配線にすれば、コンデンサーの交換も簡単でツイーターを使わない時は、2本の配線を外すだけで済みます。
ショート防止として、ゴム板をカットしたものを、端子の間に差し込んでおきます。
内部配線もベルデン8470から、 2sqの高純度OFC+銀メッキケーブルに変更。でも、内部配線で2sqの太いケーブルは、取り回しが良くないので、やり過ぎたかもしれません。音的にはいいのですが、、、
3つのタイプのダクトポートを測定して、一番結果が良いものを取付けます。
これまでの経験上、もっとも良い結果が得られそうなのは、このポートサイズΦ65×L130㎜(共振周波数50㎐:箱の容積20ℓ)です。
Φ25×L100㎜(共振周波数44㎐)のツインダクトは、ダンプドバスレフを想定しました。開口を狭くしてポート共振周波数を下げ、ヘルムホルツ共鳴を制動(ダンプ)することで、バスレフ・バックロードホーン臭さを減らせないか試してみます。
Φ65×L260㎜(共振周波数40㎐)は、手持ちで一番長いダクトで、どこまで低域が伸びるか試してみます。
測定マイク『ECM8000』をダクトポートと同じ高さにして、60㎝の距離で計測しました。
まずは、Φ65×L130㎜とツインダクトの測定結果比較です。
青がΦ65×L130㎜、赤がツインダクトです。結果は一目瞭然。Φ65×L130㎜はフラットですが、ツインダクトは60~120㎐付近が大幅に凹んでいます。ツインダクトは、想定していたよりもずっと悪い結果でした。実際に試聴しても、一聴してはっきりわかるほど低域の量感が減ります。
次は、Φ65×L130㎜とΦ65×L260㎜の測定結果比較です。
青がΦ66×L125㎜、赤がΦ66×L250㎜です。50㎐以下の音圧は上がりましたが、ツインダクトほどではないにしろ、中低域が凹んでいます。再低域が伸びる代わりに、中低域が凹むセオリー通りの結果で、試聴上の低域の量感も少し減少します。
この測定結果をみると、改めて比較試聴するまでもないので、ダクトポートサイズは、Φ66×L125㎜のPartsExpress『ADJ-65』に決定です。
ツイーターの有り無しを測定します。測定マイク『ECM8000』は、フルレンジとツイーターの中間と同じ高さにして、80㎝の距離で計測しました。
まずは、フルレンジ単体で測定。40㎐~20k㎐まで見事にフラットです。10㎝フルレンジ1発で、この周波数特性は凄過ぎです。
参考までに、オリジナルのZ701-OMMF4との比較です。ツイーターがあるZ701-OMMF4と、フルレンジ1発の『W4-2142』の高域は、ほぼ互角の勝負です。正直、このチャートを見ると『W4-2142』に、ツイーターの追加は不要です。実際にツイーター無しで聴いても、解像感が半端なく高く、高域不足も全く感じません。
ですが、GGCE製のリボンツイーターがあった方が、見た目に高級感が出るというデザイン上の理由から、無理矢理ツイーターを使うことにします。
『W4-2142』単体の優れた高域の特性を邪魔しないように、コンデンサー容量は1.0uF(可聴帯域外の25k㎐をクロスオーバー)にします。
ツイーターを追加すると、15k㎐以上の音圧が、大幅にアップしました。あまり耳に聞こえにくい帯域ですが、楽曲の響きが少し良くなりそうです。
これで、新メインスピーカーの完成です。
それでは、新しいメインスピーカーの音を、こちらの動画でお聴きください。