アルミフレームとダンベルウェイトで超重量級スピーカースタンド製作

現在、デスクトップで使用している、このスピーカーのスタンドを製作します。

 

大抵の男の部屋にはある、部屋の隅で埃をかぶって使わなくなったダンベル。掃除の時、これがいつも邪魔で置く場所にも困っていましたが、これを利用して重量級のスピーカースタンドを製作します。

 

Amazonで、1万円以下で買えるスピーカースタンドを検索すると重量が3~4.5㎏のものほとんどで、 1万円以下で重量が10㎏を超えるものは皆無です。

 

10㎏以上の重量になると一気に値段が跳ね上がり、有名なTAOC製の『BST-70L』だと、約11㎏の重さで1台3万円、ペアで6万円というとんでもない価格です。

TAOCには、この上にまだ上位機種があり、最上位モデルの『HST-60HB』になると、約23㎏で1台4.7万円、ペア9万円以上というさらに馬鹿げた価格になります。スピーカースタンドに、とてもこんなクレイジーな金額は出せないのでいつものように自作したいと思います。

今回、製作する17㎏重量級スタンドの予算は1万円(ペア)です。アカシア集成材(4,800円)、フレーム8本(2,600円)、その他(2,500円)

 

支柱として使用するのはSUS(エスユウエス)製のアルミフレーム『SF-20・20』(1本320円)。20㎜角、長さ600㎜のフレームを片チャンネルで4本使用します。

 

天板・底板は15㎜厚のアカシア集成材を2枚重ねて使用します。いつも利用しているオカモク楽天市場店でカットしてもらいました。

 

使用するダンベルの総重量は、25㎏で片チャンネル12.5㎏、アルミフレームとアカシア集成材の重量4.5㎏と合わせると、『17㎏の重量級スタンド』になります。ちなみに、スピーカースタンドが重いと何が良いかというと重量でエンクロ-ジャーの振動を抑える効果があるからです。

15㎜厚のアカシア集成材を、2枚重ねてタイトボンドで接着します。

 

アルミフレームにM5のタップを切ります。

 

ハイコーキの電気ドリルとドリルスタンドで、天板にザグリ加工を施します。生まれて初めてのザグリ加工なので、恐る恐る作業しています。

 

アカシア集成材は、非常に固いので手間取りましたが、人生初のザグリ加工は、何とか無事できました。

 

続いて、ボルトの通し穴を開けます。

 

天板にボルト用の通し穴とスピーカー固定用の穴を開けました。

 

底板にも同様にザグリ加工と通し穴のほか、自在車用のΦ12㎜の穴はスターエムのショートビット で開けます。

 

仕上げは、ワトコオイル(ナチュラル)を2度塗りして24時間乾燥させます。

 

部材の加工が終わったので組み立てていきます。

 

まず先に、低板にワッシャーとボルトを通してアルミフレームを取付けます。水平を保つためフレームと板の間にワッシャーを入れます。天板と底板は、この時点ではまだ仮止めで、本締めはしません。

 

平らな合板の上にスタンドを横にして、フレームが水平になっていることを確認しながら作業します。この作業を想定し、天板と底板は同じ奥行(300㎜)にしてあります。水準器・スコヤで確認しながらボルトを締めていきます。

 

最後に六角レンチで、ワッシャーが少し歪むくらいがっちりと締め付けます。

 

20㎜角の細いフレームは見た目が心許ないですが、六角ボルトで固く締め付けると、フラつくこともなく想像以上にガッシリしています。

一人でも4本のフレームを垂直に取付けるための、ポイントがあります。

 

立てた状態でアルミフレームを垂直にするのは難しいので、天板と底板を同じ奥行にして横に倒して作業します。平らな合板の上で、水準器を使い水平を確認しながらボルトを締めます。

 

天板と底板の4つの穴の位置を完全に揃えるのも、木工素人には難しいので天板側のボルト穴を少し大きくします。

 

底板は、しっかりとボルトでフレームを保持させるため小さめのΦ6㎜にして天板側は、調整代を持たせるため少し大きいΦ8㎜の穴にしました。

 

フレームを水平にするときに、天板側のΦ8㎜の大きな穴で位置を調整します。

 

アルミフレームの側面はR加工されていますが、断面は鋭角でこのままだと木材にめり込んで、フレームが傾きやすくなります。

 

これを防ぐために、アルミフレームと板の間にワッシャーを入れました。

 

そもそも天板や底板が、平でなければフレームも垂直にならないので、出来るだけ水平な面になるように、アカシア集成材を2枚重ねました。

 

これら4つのポイントを踏まえれば、初めてスタンドを自作した自分でも、フレームを垂直に取り付けるのは、それほど難しくはありませでした。

 

最後に自在車用の補強フランジを取付けます。音質最優先なら、鉄製のスパイクがいいのでしょうが、利便性を優先してスタンドの脚に自在車を取付けます。

 

 

これでスタンド本体の組立は完了です。これだけで4.5㎏あるので小型スピーカーならこのまま十分使用できます。

ダンベルウェイトを低板に乗せて17㎏の重量級スタンドの完成です。

 

ダンベルウェイトの下には、共振を防ぐため防振ゴムを敷いています。

 

ダンベルを乗せると重心がグッと下がり、一気に剛性感が高くなります。

 

これまでデスクトップで使用してしたスピーカーをスタンドに設置します。ダンベルが見えるのが、趣味のオーディオとしてはイマイチですがスタンド自体はミニマムなデザインで、カッコ良いのではないでしょうか?

 

 

今回のアルミフレームを使用したスピーカースタンドですが音質的に想像以上のクオリティでした。その要因として、1本300円程度のアルミフレームが実は、音響的に優れている部材なのではないかと推測。

 

タオックのスピーカースタンドの支柱の単純な円形・四角形のパイプ状なのに対してアルミフレームの断面を見ると、中身が詰まったソリッドで複雑な形状をしています。タオックの鉄製パイプ形状は、いかにも共振しそうな構造で、だから振動を吸収するため柱内部に鋳鉄紛を封入すると効果が大きいのでしょう。
それに対して、アルミフレームは、中身が詰まったソリッドで複雑な断面形状をしているので、構造的に共振に強そうな印象を受けます。共振しても、今回使用したアルミフレームの断面は縦20㎜×横20㎜しかないのでその共振自体の音波も短く、リスナーの耳にまで届くことは無いのでは?と推測。

 

スピーカースタンド有り無しの比較試聴動画

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