ハイエンドスピーカーを自作! 音工房Z 『Z701-OMMF4』改造【1/2】
2020年版ONTOMO MOOKの付録ユニットは、マークオーディオの6㎝フルレンジ『OMMF4』でした。『Z701-OMMF4』は、音工房Zが昨年販売した『OMMF4』専用の自作キットです。
音工房Zの自作キット『Z701-OMMF4』の箱を開封して、中身を見ていきます。カット済みのフィンランドバーチ、ダクト、ターミナル、配線、ビス、ダボに説明書が付属します。とても高精度なカットで、私のような自作経験の少ない初心者でも綺麗に組み立てられます。
高級フィンランドバーチ全面採用の箱を、雑誌付録の『OMMF4』だけで使うのは、あまりにもったいないので木材加工業者に、バッフルを特注で2枚8000円で製作してもらいました。
これで、将来もっと大きな口径のフルレンジや、2Wayにもできます。
ボンドは『タイトボンド』を使います。自作キットのカット精度が高いので、コーナークランプは無くても組み立てられますが、大きな箱の場合は、これがあると何かと便利です。
これだけ大きな箱だと、大型のクランプが数本必要になりますが、クランプは大型になると値段が跳ね上がり、必要な本数を揃えると数万円になります。
音工房Zでは、自作キットと同時購入すると、自作クランプ5本セットの『Z203』が2,980円で購入できるので、今回これも自作キットと一緒に買いました。
ただ、この手の自作のクランプは、ナットをくるくる回してクランプ幅を変えるので使い勝手が悪い上に、小さなナットだと手では固く締め付けられません。
そこで、ナットを素早く回すためのノブを、3DプリンターEnder 3 Proで自作しました。
まず、最初に左右のスピーカーを、マスキングテープを使って仮組をします。支えなくても板が垂直に立つくらい、高精度に部材がカットされているので、仮組も楽にできます。板の取り合いを確認し、自分で組み立て順序が分かるように板の裏に、任意の数字や記号を書きます。自作キットには付属しませんが、補強と音の流れをスムーズにするための『桟』を取付ける位置を決めます。
音道を接着する時のガイドとして、鉛筆で音道の形状を側板に書きます。
全体の完成度を左右する重要な天板と底板には、あらかじめダボ穴加工がしてあります。
側板と天板の接着には、音工房Zの自作クランプ『Z203』とコーナークランプを使います。このコーナークランプは、初めて使いましたが、ものすごく使いやすくて簡単に直角にできます。付属のクランプが、作業台と干渉して使えない場合、『高儀のホビークイックバークランプ』で押さえます。
コーナークランプと、大型のクランプで音道を接着します。
板が斜めに取りつく箇所は、クランプが使えないのでテープで圧着します。側板に鉛筆で書いた音道の線をガイドにして、形がくずれないように音道を接着します。
音道のボンドが完全に乾いたら側板と接着します。最初に天板と底板を付けた側板に、音道を接着します。
続いて反対側の側板を接着します。
付属の説明書と、手順が異なりますが、ここで空気室に吸音材を貼り、角に桟を接着します。
背板と特注した鬼目ナット付きのバッフルを接着します。
本体部分の組み立てが完了しました。これから表面の仕上げに入ります。
当初、突板仕上げにする予定で、音工房Zの『突板セミナー動画』を購入して、材料や工具も一式揃えました。
が、フィンランドバーチが思いのほか綺麗だったので、これを活かすためオイル仕上げに変更しました。
フィンランドバーチの綺麗な木目を活かすため、ワトコオイルの『ナチュラル』を使用します。
ワトコオイルの塗り方は、初心者でもとても簡単にできます。私も今回が初めてでした。
【用意するもの】
- #120、 #240のサンドペーパー
- ワトコオイル(ナチュラル)
- オイルを小分けする入れ物
- 刷毛
- ウエス(不要な布など)
- ポリエチレン製の手袋(※ゴム製はオイルで穴が開くので不可)
- #400の耐水サンドペーパー
1.ヤスリ掛け:#120、#240のサンドペーパーで表面を滑らかにします。
2.塗り(1回目):1回目はたっぷり塗り、15~30分程度乾燥させた後で余分なオイルをウエスで拭き取ります。
3.乾燥:1時間程度乾燥させます。
4.塗り(2回目):2回目は、1回目の1/4程度の量を塗り、濡れた状態で#400の耐水サンドペーパーを掛けます。
5.乾燥:余分なオイルをウエスで拭き取り、24時間以上乾燥させます。
手順はこれだけです。※以下のサイトを参考にしました。
まず、#120、#240のサンドペーパーで表面を滑らかにします。
ヤスリ掛けが終わったら、刷毛でオイルをたっぷり塗ります。15~30分程度乾燥させた後で、余分なオイルをウエスで拭き取ります。
1時間程度、乾燥させます。
2回目は、1回目の1/4~ 1/2程度の量を塗り、濡れた状態で#400の耐水サンドペーパーを掛けます。濡れた状態でサンドペーパーを掛けるウェットサンディングの目的は2つあります。
❶ オイルで毛羽だった板の表面を削って、スベスベの触り心地にします。
❷ 削った粉をオイルと一緒に混ぜ、木目のすき間に刷り込むことで、木の表面を保護します。
余分なオイルをふき取り、このまま24時間以上乾燥させます。
オイルフィニッシュの完了です。次は、組み立て・測定編です。
このスピーカーの再生音は、こちらの動画でご視聴ください。